2017年1月22日日曜日

キウス周堤墓群


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千歳市の郊外に、縄文人の手に拠るとされている大規模な遺跡があることを御存知だろうか。

「キウス周堤墓群」と呼ばれるその遺跡は、国道337号と道東自動車道が交差する千歳東ICのすぐ傍に、国道に真っ二つに分断された形で存在している。

現地の看板の説明書きに拠ると、およそ3000年前の縄文時代後期に造られた墓で、円形に掘った土を周囲に堤状に積み上げ、その内側の墓地に当たる部分には石柱が立てられることもあり、その形状から「周堤墓群(しゅうていぼぐん)」若しくは「環状土籬(かんじょうどり)」と呼ばれているらしい。

域内には全部で8基の墓があり、一番大きなものでは直径が75m、高さ5m、深さ2mとのことで、「直接見ることができる日本一大きな縄文時代のお墓」ということだ。



石器人がこの遺跡のことを知ったのはそれ程古くなく、確か西暦2000年頃のことだったと記憶している。

どんな場所かと興味を惹かれ、何回か現地まで行って写真も撮ったのだが、CD-Rに保存しておいた写真が経年劣化の所為かほぼ読み取り不能となり、手元には一枚の写真も残っていなかった。

葉っぱが落ちた11月頃に撮ったので、結構全貌を見渡せる写真もあったから、実に惜しいことをしたなと思っていたのだが、「それなら今丁度葉っぱが落ちて見通しもいい筈だから、もう一回行って写真を撮ればいいべや」と気が付き、又もや現地を訪れることになったのだ。





まずは「キウス周堤墓群」の地図。
   
オレンジ色のマークが「キウス周堤墓群」だ。



参考までに、これが千歳市にある他の主な遺跡の航空写真。
   

千歳市内の他の遺跡もマーク(水色)で示してある。





という訳で、秋も深まった11月初旬のある日「キウス周堤墓群」を訪れるべく、千歳市に向かって出発した。

場所自体は国道337号を千歳に向かって進み、千歳東ICの手前迄来れば、進行方向に向かって左側の雑木林に看板と駐車場があるのですぐわかる。

これが駐車場の入口の写真。

キウス周堤墓群駐車場


少し離れてこんな看板もある。

説明書きの看板
冒頭に書いた「キウス周堤墓群」についての説明は、この看板からの引用である。


これが看板の拡大図


赤字の番号は撮影位置で、矢印記号は撮影方向。




拡大図中の№1地点。まずは駐車場から遺跡へ向かう。

拡大図№1地点
木立の先に2号周堤墓が見える。



拡大図中の№2地点。2号周堤墓の堤の上から国道方向を見る。

真ん中から真っ二つ
ドーナツが真ん中から国道によってスッパリ分断されているのがわかる。なかなか無神経な工事だ。道路を通した時はわからなかったのだろうか、それともわかっていても遺跡の意義など軽視された時代だったのだろうか。



拡大図中の№3地点。堤の形をオレンジの線で描いてみた。

堤の形状はこんな感じ


拡大図中の№4地点。上の№3の先の堤の形状。

同じく堤の形状の画像


拡大図中の№5地点。3号周堤墓を望む。

オレンジの線が3号のドーナツの穴部分



拡大図中の№6地点。3号周堤墓の内側。
   
3号の内側





一応他の周堤墓の写真も撮ったのだが、全体像が掴めそうなのは上に載せた写真くらいしか無かったので、後は省略することにした。



撮影技術が未熟な為、現場の様子はなかなか伝わり難いとは思うが、それにしても現地で見る限り、平面的な広がりが巨大な遺跡であることが実感できる。

重機を使っても結構な作業量になりそうなのに、それをすべて人力でここまでの大きさのものを造り上げるというのは、まさに気が遠くなるような作業だと思われる。





ところで、ネットで「キウス周堤墓群」について色々と調べてみたのだが、その中でも「歴史倶楽部 - 邪馬台国大研究」というHPに掲載されている記事が面白かった。尚、検索すればトップで出てくるので、このHPに敢えてリンクは貼っていない。

そのHPのトップページの目次にある№180「北海道の遺跡を訪ねて」のページからリンクされている「キウス周堤墓」に関する記事の中に、「周堤墓の内側で遺体の一部の遺存が認められている」という記述があったので、「墓」であることは間違いないようなのだが、それにしてもここまで巨大になものを造る理由が、信心の足りない石器人としては理解に苦しむ点だ。



予備知識の無い人間に「UFOの発着跡」だと説明しても、もしかしたら信じる人もいるかも知れないと思わせる程、スケールが大きく不思議な遺跡である。


(続く)  (前回)



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