2018年7月6日金曜日

夕張に「アイヌ伝説集」に載っている「悪者部落」を探しに行ったら・・・


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今回も、以前紹介した更科源蔵編アイヌ伝説集から拾ったネタの話だべさ。

その「アイヌ伝説集」の159ページに、こんな記述がある。以下引用。

「夕張奥の悪者部落」

夕張の奥にトムンチ・コタンというところがあり、ここには熊でも獺(かわうそ)でも狢(むじな)でも蜂でも、この世の中であらゆる悪いことをした、性の悪い者ばかりを集めて置いたところがあると伝えられている。(名寄市日進・北風磯吉老伝) ~引用終わり。



名寄の古老が何故夕張のことについて詳しいのかはよくわからないのだが、非常に面白そうな話なので、この本の話の中でも、特に頭に残っていた。

最初にコレを読んだ時は、「熊」とか「獺」とか「蜂」とかしか記載がないので、「人間の悪者」は除外されてるんだべか?と思ったのだが、「性の悪い者」という書き方だと、人間も当然含まれている様な気もする。

なにより「悪者部落」という集落を形成する訳だから、それは多分人間がいないと難しいと思われるし、おそらく大昔に人間の住んでいた場所に、「悪者部落」の該当する処があるのでは?

という見込みで、何の手掛かりも無い(ネットで検索しても「アイヌ伝説集」に書いてある以上のことは出てこない)んだけど、夕張まで「悪者部落」の痕跡を探しに行ってみることにした。

こちらが探索した場所の地図。

  


現地に行ったのは5月~6月にかけての計3回だったのだが、流石に夕張は広くて、3回かけてもとても全地域を隈なく見て回ることは不可能だった。以下がその時の記録だんべ。





アイヌ伝説「悪者部落」探し 第1回目(2018年5月中旬)

5月中旬に行った第1回目の探索なのだが、夕張奥の悪者部落」と言うからには、嘗て栄えていた「炭鉱地区」ではなく、山深い「シューパロ湖より北」方面のことではないんだべか?という、何の根拠もない見込みで、シューパロ湖から国道452号を北上してみることに。


まずは、清水沢からシューパロ湖を目指して国道452号に入り、南大夕張の集落を通って

南大夕張(南部東町)


すぐにトンネルに入り、そこを抜けるとシューパロ湖が眼前に現れる。地図ポイント1

トンネル出口近くの駐車場よりシューパロ湖東側方向を望む 地図ポイント1

トンネル出口近くの駐車場よりシューパロ湖北側を望む
美瑛の青い池に少し似てるかも


シューパロ湖から車を飛ばし、「三笠まで31km」の地点まで来たのだが、この間、人家は一軒も無かった…。

三笠へ抜ける峠のトンネルももう近い
これ以上進むと三笠に入ってしまうので、ここでUターンして国道452号を引き返すことにした。



引き返す途中で、夕張川を渡って上巻沢方面に続くと思われる林道があったので入ってみたのだが(地図ポイント3)

上巻沢への入り口?地図ポイント3


すぐに通行止めになっていた。

夕張川を渡ってすぐにゲートで通行止め
橋を渡り、対岸に残っている道路を辿って「悪者部落」の探索をしようと思ったのだが、無理みたいだべさ。




更に国道452号を戻ると、2013年?だったかにシューパロダムが完成したために、ダム湖に沈んだ鹿島地区へ降りて行くと思われる道の入り口を発見したのだが(地図ポイント4)

湖底に続く道?地図ポイント4


ここも通行止めだった。

柵で通行止め
この先は「春日町」と呼ばれていた地区なんだろうか?



それにしても、とにかく人家も何もないもんだから


なんもない




「悪者部落」の痕跡も掴めないまま、またシューパロ湖に戻ってしまったべさ。

シューパロ湖に戻った
何も見つからなかったので、仕方なく今回は帰路に就くことに。

それにしても、場所に関しては「夕張奥」というヒントしかないのに、いったいどうやって探したらいいんだべ?



アイヌ伝説「悪者部落」探し 第2回目(2018年6月中旬)

前回、シューパロ湖の北側の国道沿いには「悪者部落」の痕跡は見つけられず、夕張川の対岸に渡ることも出来なかったので、6月中旬のよく晴れた日、再びシューパロ湖方面までやって来た。

また来た


で、前回と同じく国道452号沿いを北上して、見落とした個所は無いか探してみたのだが

やっぱりなんもない
人家も無けりゃ人も居らず、勿論「悪者部落の痕跡」は見つからない…。というか、その「悪者部落の痕跡」自体がどんなものなのかも、さっぱりわからないまま走り回ってるもんだから、まるっきり雲を掴むような状態なんだべさ…。



仕方なく、戻ろうと南部東町まで来たところで、「シューパロダム 3km」への分岐看板が目に入り、左折してその「シューパロダム」方面に行ってみた。地図ポイント7

シューパロダム方面へ 地図ポイント7
その結果、思わぬ場所に遭遇してしまったのだが、厳密に言うと「悪者部落」とはあんまり関係ない話なので、この記事の一番下「番外編」で詳しく書くことにするべ。




アイヌ伝説「悪者部落」探し 第3回目(2018年6月下旬)

さて今回は、前回まで行っていた「シューパロ湖」方面ではなく、まずは嘗ては炭鉱があって繁栄していた、市役所のある本町、「石炭の歴史村」がある高松地区、そして岩見沢市万字へと抜ける道道38号(夕張岩見沢線)沿いにある、「丁未風致公園」のある辺りまで足を延ばしてみることにしたべさ。


ということで、まずは一気に岩見沢市との境界近くにある「丁未風致公園」まで行ってみた。地図ポイント5

丁未風致公園入口 地図ポイント5


「ようこそ」とは書いてあるし、一応開園期間中(5/21~11/2)ではある筈なのだが

開園はしている様だ


あちこちに「立入禁止」の看板が…。

開園期間中の筈だが?


ああ、なるほど。現在は赤枠で囲われた一部しか解放していない、ということらしいべさ。

赤枠の部分のみ解放中



石器人にとっては、人が居なくて落ち着く場所なのだが

いや~、落ち着く…
落ち着くわ…
落ち着くんだけど、ここには「悪者部落」はありそうもないので、戻ることにするべ。



道道38号を引き返すと、途中で「歴史村駐車場」の標識が…。これは多分石炭の歴史村のことだべな。

「歴史村駐車場」



あんれ?閉鎖されてるべさ。確か「石炭の歴史村」って「石炭博物館」とかまだ稼働中だったような気が…。

閉鎖?



そのすぐ横にある施設入り口も閉鎖されていたべさ。

「パスポート売り場」とのこと


その先の「キャンプ場入り口」も立入禁止になってるべさ…。

キャンプ場も立入禁止
おかしいな、確か「石炭の歴史村」って、確か「石炭博物館」とかがあってまだ稼働中だったような記憶が…。



不審に思いながら更に本町方面に戻って行くと、「石炭の歴史村入り口」の標識が。

こっちが本物?


どれ、入ってみるべ。地図ポイント6

誰もいない… 地図ポイント6
↑駐車場に来たけど、誰も居ないしなんも無いべさ…。



いや、煙突みたいな標識?はあったな。

「夕張希望の丘」ってなんだべ?


「ホントに何もねえべさ」と思いながら辺りを見回していたら、駐車場の北東方向に何かあったべさ。

あっちが「石炭博物館」?
↑あっちの方向に、現在も稼働中の「石炭博物館」がある様だが、石器人は、その手の施設にはあんまり興味は無いので、そそくさとこの場所を退散することにしたべさ。





さて、後は今年に入ってもう2回も訪れている「シューパロ湖」方面に、また向かうことにしたのだが、何故こっち方面に行きたくなるのかは、自分でもよくわからない…。

ということで、シューパロ湖の北側にある「大夕張の碑」のある処までやって来たべさ。地図ポイント2

夕張岳登山道に続く橋だんべ
この像の着ている服は前から気になっていたんだけど 地図ポイント2
管理者は容認してるのかい?コレ
↑なんで服を着せているのかはわからんけど、ブロンズなら地肌のまんまの方がいいんでないのかい?



さて、ここから先は前に2回来てるし、もう探すとこもないみたいだから戻ることにするべ。

ということで、ま~た南部東町のシューパロダム方面に向かうこのT字路に来たべさ。地図ポイント7

シューパロダムへの分岐 地図ポイント7
↑今回もまた左折して、上の方に書いた「例の場所」まで行ってみることにするかい。




番外編:アイヌ伝説「悪者部落」を探していたら、南部青葉町の廃屋集落でとんでもないものを見つけたべさ!

この「番外編」の場所には第3回目の探索時(6月下旬)にも足を運んでいるんだけど、今回は第2回探索時(6月中旬)に撮影した写真を使って説明することにしよう。


シューパロ湖の北側では「悪者部落」の痕跡を見つけられなかったので、引き返して南部東町の交差点から、このシューパロダム方面へ向かう道を下りて行ったのだが

こんな道を下って行くだよ



しばらく行くと夕張川をに架かる「南部大橋」に出る。

南部大橋
夕張川




で、この橋を渡ると、いきなりラーメン屋の廃屋が出現する。ここから先が地図ポイント8の南部青葉町の廃屋集落となる。

ラーメン屋?



その先には両側に店舗跡の廃屋が…。

こう見る大したことない様に見えるけど、れっきとした廃屋だべさ…
↑道路の先はシューパロダム。この後一通り車で回ってみて(下の動画参照のこと)から、集落の中の道路に車を停めて、今度は歩いて一回りしながら、FinePix S9900Wで写真を撮ってみることにした。




以下が、そのFinePix S9900Wを使って歩きながら撮影した時の状況。

さっきの橋を渡ってすぐの「ラーメン屋の廃屋」まで行って、夕張川の下流方向に向かってみるべ。

ラーメン屋を右へ
↑オレンジ色の矢印が夕張川の下流方向。




道の脇には、もう既にぶっ潰れて草に埋もれている廃屋も…。

倒壊した廃屋




左手に道があるので入ってみるべ。

左側の道に入る


2軒とも廃屋だべさ。

廃屋続き



その向かいには潰れた廃屋も。

ぺっしゃんこ



あちこちがこんな具合。

潰れた家が多い
↑やっぱり北海道の場合は、雪降ろしをしないで放置しておくと、こうなる運命なんだべな…。




さて、先程のラーメン屋から右折した道に戻って、今度は直進してみるべ。

今度は直進



するとその先に、一見まともに建っている様に見える家が。

比較的きれいに見える


玄関もきれいだ。…けど、おや?これは!?

コレはアレだべさ…





これって北海道では知る人ぞ知る、「Y張H険金S人事件」で極刑になった犯人の家でないのかい!?

ああ、やっぱりそうだ…




いやいや、そうかい、ここがそうだったのかい…。それにしても、アイヌ伝説「悪者部落」を探していたらここに来てしまった、というのも何と言えばいいのやら…。

よく見りゃ結構荒廃しているべさ
この物件、道路に面する部分は結構しっかり残っているのだが、建物の奥の方はやっぱりかなりのダメージを受けてるみたいだべさ。



さて、気を取り直して、今度は「WG-M2」でもこの南部青葉町集落一帯を、一通り歩いて動画を撮影してみた(記事最後の動画参照)のだが、廃墟だらけの集落の中を歩いていると、何やら不思議な感覚に襲われてくる。人間の営みの儚さみたいなものを感じるというか…。

いずれにしても「気持ちが高揚してくる」という様な場所でもないから、とっととここから立ち去ることにするべ。



ということで、廃屋だらけの集落を探索していたら、思ってもいなかったものが見つかったという「番外編」のお話だべさ。






YouTubeにも動画をアップロードしといたべさ

5月中旬から6月下旬の間に3回探訪した時の内、「番外編」の廃墟集落まで足を延ばした6月中旬撮影の動画を2回に分けて、YouTubeにアップロードしておいた。

  
  
このYouTubeチャンネルのアカウントでは、未だ「15分縛り」の規制を解除していなかったので、15分未満の動画2本に分けてアップロードしたべさ。

3回目の6月下旬の探訪時にも、この南部青葉町の廃墟集落は撮影しているので、いずれまたYouTubeにアップロードしてみたいべさ。





ところで、このアイヌ伝説「悪者部落」探しなのだが、まだ回っていない地域がかなり残っているので、次は夕張岳登山道に向かう道に入って、その周辺を探索してみたいと思ってるんだべさ。




(続く)  (前回)



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2018年6月2日土曜日

新十津川神社の傍にあるという人喰刀を沈めた底無し沼を探すべ


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今回は、以前紹介した更科源蔵編アイヌ伝説集から拾ったネタだべさ。

その「アイヌ伝説集」のP.152、「底なしの沼」の中にこんな記載がある。

~滝川の石狩川向い、新十津川町の橋本町から西徳富よりに玉置神社という神社があり、その傍にある沼は、昔、人喰刀(エペタム)を沈めた底なしの沼だといわれ、おそろしい沼(チホマト)ともいわれていた。人喰刀は宝物を納めておく箱に入れ~途中省略~箱を飛び出して人間に襲いかかり、今まで何でもなかった人が殺されたりするので、部落ではそれを石狩川にもって行って渕に沈めてみたり、山へ持って行って捨てたりしてみたが、直ぐに戻ってくるので、最後にこの沼に沈めたところ、それきり戻って来ないので、この沼にはそこがないのだろうといわれた。~(以上「アイヌ伝説集」P.152より引用)


最初にこれを読んだ時、他の伝説にもちょくちょく出てくるこの「人喰刀」というのも確かに恐ろしいけど、それよりも「底なしの沼」と呼ばれるその「沼」はいったい何処にあるんだべ?と、「沼」の方に興味を惹かれたんだべさ。


幸い、その新十津川の玉置神社(現在の新十津川神社)の場所はわかっていたので、ゴールデンウィークに現地に行ってみることにしたべさ。





5月に入ってすぐのよく晴れた日、昼過ぎに自宅を出発して国道275号を北上する。

国道のドライブはあんまり面白味が無いので、月形町に入ってから、月形町から雨竜町まで国道を一切使わずに北上するべ!其の1 其の2で書いた裏道に入る。



こんな景色や




こんな場所とか




こんな綺麗な場所があるので、やっぱり国道を走るより、こっちの裏道の方が面白い。

やっぱり裏道の方が楽しいべさ


裏道を北上し続けると、やがて新十津川町で国道451号にぶつかるので、右折。

国道451号にぶつかるので右折


そこから少し行くと左手に商店があり、その先に新十津川神社がある。

商店の先が新十津川神社



新十津川神社正面。

神社正面


更科源蔵氏編の「アイヌ伝説集」に拠れば、「チホマト」と呼ばれるその底なし沼「神社の傍」にあるらしいのだが、神社の左手を見ても「沼」は無いし

神社の向かって左側



右手を見ても、「沼」らしきものは見えない…。

神社の向かって右側
と言うか、出発前にGoogleの航空写真を覗いてみたのだが、「新十津川神社の傍」つまり「すぐ横」には、沼はおろか、貯水池の類も無いようなのだ。さて、困ったべさ…。





沼が見当たらない以上は、いつまでもここにいても仕方ないので、取り敢えず新十津川神社周辺の「直近の沼」巡りをしてみることに。



まずは「新十津川神社」近辺のGoogle航空写真をば。

今回は地図より航空写真の方がわかりやすい(この辺りの地図はスカスカで、沼の表示も無い個所があった)と思ったので、そっちを載せてみることにしたべさ。

  




まずはGoogle航空写真で事前に位置を確認しておいた、神社の北側の国道275号を越えた場所にある「沼」へ向かう。

これが上の航空写真の青いポイント、「近くの沼 其の1」。沼は北と南の2つに分かれていて、これは北側の沼。

2つある内の北側の沼

これが隣り合わせにある、南側の沼。

こちらが南側の沼
近くで観察してみると、これは「沼」ではなくて、どうみても「農業用貯水池」だべさ。



底なし沼はここじゃないな、ということで、今度は新十津川神社の北西側にある沼に行ってみることにするべ。事前に航空写真で確認した限りでは、こちらも恐らく農業用貯水池かと思われるのだが、念のために…。これが航空写真の「近くの沼 其の2」

人工的だべさ
里見北7線沿いにあるこの沼を近くで観察してみたのだが…。ああ、四角いな。こりゃ完全に沼じゃなくて貯水池だべさ。



ということで、今度は最後の望みを託して、新十津川神社の南側、北2号線沿いにある沼まで足を延ばすことに。航空写真の「近くの沼 其の3」

北2号線の脇に沼がある


木々の隙間から沼が…。う~ん、これは「沼」というよりは「湿地」に近いかも…。

「湿地」と言った方が正しいかも
これじゃ「人喰刀」は沈められそうもないべさ…。


それでも、林の奥の方にはこんな「沼」らしき個所もあるのだが

「沼」というか「水溜まり」?
全体的に観察してみると、やっぱりここは「底なし沼」とは言えないみたいだべさ。





という訳で、新十津川神社の周辺にあるめぼしい「沼」に足を運んでみたのだが、結局「人喰刀を沈めた底なし沼」らしきものは発見できなかったべさ。

そもそも上にも書いた様に、「アイヌ伝説集」に拠れば「底なし沼」「新十津川神社の傍」にある(あった?)ということだから、足を延ばして見た3箇所の沼が「神社の傍」とも考えにくい。

これはやっぱり、嘗ては新十津川神社のすぐ横か裏手にあった「底なし沼」が、農地造成などで埋められてしまった可能性が高いんでないべか?



(続く)  (前回)



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