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昨年、山田秀三氏の著書で「アイヌ語地名を歩く」(北海道新聞社刊)という本を読んだんだけど、その中の「ポンアヨロの古伝承(上・下)」という章が非常に面白かったんだべさ。
で、まずはその「ポンアヨロの古伝承(上)」の章の中身なんだけども、白老町のアヨロ海岸の「アヨロ鼻灯台」が建っている、「カムイエカシ・チャシ(神のような長老の砦)」と呼ばれる高台の隣に、海岸がガッポリ削られた様な窪みがあって、そこが神様が尻餅をついた跡「オソロコッ」と呼ばれていたらしいんだべさ。
以下、「アイヌ語地名を歩く」P.170より引用～
…海から入り込んだ凹地の上に出たら、これがオソロコッで、その前面の海中の岩が「イマニッだと言われる。オソﾙ・コッ(osor-kot 尻の・その凹)とイ・マ・ニッ(i-ma-nit それを・焼く・串)である。
昔アイヌの文化神が、海岸でたき火をして、鯨の肉を蓬の串に刺して焼いていたら、パチンと音がしてその串が折れた。文化神が驚いて尻餅をついた跡がそのオソロコッで、海中の岩が残った串だという。全道の海浜地帯に広く残っている神話の一環である。
その後、方々でずいぶんオソロコッを見たが、こんなに美しく整ったお尻跡を見たことがない。
～引用終わり。
この「こんなに美しく整ったお尻跡を見たことがない」という一文に、いたく興味を惹かれてしまい、是非一度現地を見に行きたいと思うようになったんだべさ。
ということで2018年11月の中旬に、実際に現地に行って来たので、その時の記録を以下に纏めておくことにするべ。
ちなみに、これが地図代わりのGoogle航空写真だべさ。
↑画面左下の＋－ボタンで拡大・縮小可能。
<その1>まずは白老町のアヨロ海岸に行くべ
よく晴れた11月中旬(2018年の話)の朝に、ボロ車に乗って自宅を出発し、国道36号を南下。苫小牧を過ぎて登別方面補目指したんだけど、途中で樽前ガローに寄り道して写真と動画などを撮った為、白老町のアヨロ海岸の入り口に着いたのは昼過ぎになってしまったべさ。
①国道36沿いに進み、白老町の市街地を過ぎて山の勾配を上り切った辺り、「臨海橋」の手前の左手に、「虎杖浜温泉ホテルいずみ」へ向かう進入路があるので、そこへ左折する。
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| 左折 |
②すぐに二股になるので、看板の指示通りに右手へ。
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| 右手へ |
③こんな細い道を下って行くんだべさ。
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| 道は狭い |
④アヨロ海岸に出たべさ。
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| 海岸に到着 |
⑤駐車スペースは結構広い。
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| 駐車場 |
⑥はいはい、わかっておりますべさ。
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| 看板各種 |
⑦海岸は整備されてるべさ。
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| 立派な石段 |
⑧今日は海は穏やかみたいだべさ。
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| 波は穏やか |
⑨ポンアヨロ川を挟んだ対岸の状況その1。
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| 対岸その1 |
⑩ポンアヨロ川を挟んだ対岸の状況その2。
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| 対岸その2 |
↑最初に紹介した書籍、「アイヌ語地名を歩く」の「ポンアヨロの古伝承(下)」に拠ると、この今は比較的水量が少ないポンアヨロ川を渡渉して、笹薮の斜面を登って正面に見える台地の上まで行くと、「カムイミンダラ(神様が降りて来て遊ぶ場所)」と呼ばれる美しい広場があるらしいんだべさ。
そちらも是非とも行ってみたいんだけど、今日のところはまず、川のこっち側の「カムイエカシ・チャシ跡」と「神様の尻餅跡オソロコッ」の探訪が先だべさ。
ということでまず最初は、現在「アヨロ鼻灯台」が建っている「カムイエカシ・チャシ跡」に上がってみることにするべ。
<その2>「カムイエカシのチャシ(現アヨロ鼻灯台)」探訪だんべ
①駐車場から少し戻ると、「アヨロ鼻灯台」への上り口があるんだべさ。
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| 灯台への上り口 |
②これが「アヨロ鼻灯台」への上り口。
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| この階段を上がるんだべさ |
③上がってすぐの標柱。
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| 「カムイエカシ・チャシ」の標柱 |
仕方ないので山田秀氏著「北海道の地名」(北海道新聞社刊)を紐解いてみたんだけど、そっちの方にもP.386の「オソﾙコチ」の項目に(以下、引用)
～ポンアヨロ(虎杖浜漁港)のすぐ東側の高台がカムイ・エカシ(神の如き・長老)のチャシ(砦)で…
～引用終わり
と記載されている程度だったべさ…。
まあ、深く調べるのは後回しにして、取り敢えずは「神様みたいな偉い長老が住んでいた砦」と憶えておけばいいんだべな。
④あそこまで上るんだべさ。
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| あれが「アヨロ鼻灯台」 |
⑤この階段は閉鎖されてるけど、階段脇を難なく通れるんだべさ…。
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| 脇を通れるからロープの意味が無い？ |
⑥台地の上に出たべさ。「アヨロ鼻灯台」がすぐ近くに。
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| 台地の上に到達 |
⑦東北東の方角の海岸線。神様の尻餅跡「オソロコッ」が見えるべさ。
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| 「オソロコッ」が見える |
⑧ここから神様の尻餅跡「オソロコッ」方面に向かう踏み跡があるので、後で行ってみることにして
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| 踏み跡があるべさ |
⑨取り敢えず「アヨロ鼻灯台」に行ってみるべ。この灯台、現在は稼働してないみたいだべさ。
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| まずは灯台の方へ |
⑩灯台の横の踏み跡を通って
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| 海へ向かうべ |
⑪海が見える場所に出たべさ。
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| 灯台の先端から海を見る |
⑫すぐ下は崖だべさ。
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| 結構嶮しい |
⑬ここからの方が、神様の尻餅跡「オソロコッ」がよく見えるべさ。
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| 「オソロコッ」がよく見える |
「カムイエカシ(神の如き長老)」は、この高台で暮らしながらのんびり海を眺めていたんだべか？
<その3>神様の尻餅跡「オソロコッ」探訪だんべ
①<その2>の⑧地点まで戻り、踏み跡を辿って「オソロコッ」に向かうべ。
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| 踏み跡を辿るべ |
②踏み跡は歩きやすい。道から逸れても笹丈が低いので問題はないんだべさ。
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| 歩きやすいべさ |
③神様の尻餅跡「オソロコッ」の縁に出たべさ。
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| 「オソロコッ」Ⓐ |
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| 「オソロコッ」Ⓑ |
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| 「オソロコッ」Ⓒ |
④縁の踏み跡を辿って向こう側に行ってみるかい。
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| もう少し先に行ってみるべ |
⑤真ん中辺りから見下ろした、神様の尻餅跡「オソロコッ」だべさ。
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| 真ん中辺り |
⑥上記の⑤地点から「アヨロ鼻灯台」を見る。灯台のある所が「カムイエカシ・チャシ」の最上部かと思われるべさ。今辿って来た踏み跡が見えるべか？
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| アヨロ鼻灯台方向 |
⑦「オソロコッ」の向こう端まで行ってみるかい。
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| 向こう端まで行くべ |
⑧踏み跡横の広い台地にはソーラーパネルが設置してあるべさ。最近はどこに行ってもあるから、風情を削がれるんだべさ。
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| 最近はどこに行ってもあるな… |
⑨進行方向に見えるのは、ホテル「海の別邸ふる川」の隣にある「魚卵人」らしいべさ。
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| 建物が見える |
⑩端まで来たんだけど、カシワの木が邪魔で見通しがあんまりよくないべさ。
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| 端まで来たぞ |
<その4>折角だからもう少し探検してみるべ
①折角ここまで来たので、また「魚卵人」の建物の方に行ってみるべ。
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| もう少し進むべ |
②「海の別邸ふる川」のすぐ近くに来たけど、ガッパリ抉れてるな…。
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| あんまり近づかん方がいいな… |
③ここから転げ落ちたらただでは済みそうにないべさ…。
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| 結構な高さの崖だべさ |
④さて、「カムイエカシ・チャシ」跡のアヨロ鼻灯台まで戻るとするかい。
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| 戻るかい |
<その5>次回の宿題、神様が降りて遊ぶ美しい広場「カムイミンダラ」の話も少し…
①<その2>の⑧地点まで戻って来たべさ。駐車場のある方向に<その1>の⑩で触れた、「カムイミンダラ(神様が降りて来て遊ぶ場所)」と呼ばれる広場がある台地が見えるべさ。
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| 「カムイミンダラ」のある台地が見える |
②右下の方から台地の上に上がる、九十九折れの踏み跡らしきものが見えるべさ。
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| 踏み跡が見えるな |
③ズームで上の方を撮ってみたべさ。あの向こうに神様が降りて遊ぶ広場「カムイミンダラ」があるらしいんだべさ。
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| 台地の上 |
この「カムイミンダラ」、時間的には行って行けないこともなかったんだけど、空模様も怪しくなってきたので、今回は探検を断念して駐車場まで戻ることにしたんだべさ。
YuoTubeに動画をアップしたので貼り付けとくべ
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以上で、ポンアヨロ川のこっち側の探検は探検は終了したんだべさ。
次はポンアヨロ川の対岸に渡って、神様が降りて遊ぶ広場「カムイミンダラ」の方に行ってみることにするべ。行くとなればポンアヨロ川を渡渉する必要があるので、長靴は忘れないようにしないと…。
※YouTube動画
2019年3月2日「神様の尻餅跡「オソルコッ」とアイヌの砦跡「カムイエカシ・チャシ」探訪だべさ」
動画再生リスト「どこだべ？此処は」
(続く) (前回)
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