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久々の「アイヌ伝説集」の現場巡りの話だべさ。
更科源蔵編「アイヌ伝説集」の156ページに、次のような記載がある。
以下引用~
「アンガリトーの伝説」
千歳市長都沼のつづきにアンガリトーという沼がある。この沼は昔から化け物がいて、うっかり漁に出かけると舟をひっくり返されて溺死するから、この沼には行ってはいけないと言い伝えられている。以下省略~。
~引用終わり。
↑この化け物がいる「アンガリトー」という沼に甚く興味を惹かれたので、山田秀三著「北海道の地名」で、「アンガリトー」について調べてみたら、54ページの「祝梅川」「アンガリ沼」の項目に、以下のことが書いてあったべさ。
以下引用~
「祝梅川 しゅくばいがわ」「アンガリ沼」
千歳川の東支流になっているが、昔の形ではアンガリ沼に注いでいた川である。永田地名解は「シュクバイ。成長したる蕁麻」と書いた。shukup-ai(育った・イラクサ)と読んだものだが、よく分からない。
なおアンガリ沼は今はなくなって忘れられた沼であるが、永田地名解は「アンガリ・トー。鷲を捕る雪穴(の沼)。アイヌ雪を掘りて穴を作り、その中に潜居して鷲を捕る。其穴をアンと云ひ、作をカラ(注:kar)と云ふ。沼の沿岸に此穴を作る故に名くと云ふ」と書いた。
~引用終わり。
この「北海道の地名」の記述に拠れば、長沼町から千歳市にかけて、現在も細長く残っている「長都沼(おさつぬま)」の南方、つまり祝梅の辺りに、嘗ては化け物の棲む沼「アンガリトー」があったが、今はなくなってしまった、ということらしいべさ。
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そんな訳で、化け物の棲む沼「アンガリトー」が現在は無くなってしまったことは残念だけど、その「アンガリトー」に続いていたという「長都沼」は未だ残っているので、一目拝んでおくべ、ということで現地に出向いてみたんだべさ。
こちらが、地図代わりのGoogle航空写真。
↑画面左下の+-ボタンで、拡大・縮小ができる。
幻の沼「アンガリトー」に続いていたという「長都沼(おさつぬま)」に行ってみるべ
8月初めのよく晴れたある日、ボロ車に乗って自宅を出発し、長沼町から「長沼第2広域農道」を南下して、千歳方面に向かう。「長沼第2広域農道」は、道道226号との交点で道道967号に変わるが、そのまま南下を続ける。
大学橋の手前にある「大学橋記念公園」のすぐ先の左手に、「長都沼(おさつぬま)」へ続く枝道があるので、そこを左折。
側道へ左折 |
しばらく走ると、右手に野鳥観察用?の櫓と駐車場が見えてくるので、そこに車を停めるべさ。
櫓と駐車場がある |
駐車場はこんな感じだべさ。
駐車場 |
こんな看板がある。看板の向こう側が「長都沼」がらしいべさ。
看板 |
看板の説明書き拡大その1 |
看板の説明書き拡大その2 |
これが野鳥観察用?の櫓。
野鳥観察?櫓 |
かなり年季が入ってるけど、上ってみるかい。
踏み抜きそうな外観… |
上はなかなか快適そうだべさ。
櫓の中 |
テーブルの中央が長沼町と千歳市との境界らしいべさ。
テーブルが境界 |
こちらが、櫓から見た「長都沼」の写真だべさ。
「長都沼」右手 |
「長都沼」正面 |
「長都沼」左手 |
櫓の下にはこんな物が…。
巨大なポンプ |
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ということで、化け物の棲む沼「アンガリトー」に続いていたという「長都沼」を拝んで来たんだけど、やっぱり嘗て「アンガリトー」があったとされる千歳市祝梅にも行ってみないとな、と思っていたので、後日行ってみたんだべさ。
嘗て化け物の棲む沼「アンガリトー」があったとされる千歳市の祝梅(しゅくばい)に行ってみたべさ
山田秀三著「北海道の地名」の、54ページにある「祝梅川」「アンガリ沼」の項目に、次のような図面が載っている。
以下引用~
山田秀三著「北海道の地名」の、54ページにある「祝梅川」「アンガリ沼」の項目にある図面 |
この図面に拠れば、「長都沼、馬追沼、アンガリトーは続いた大沼であった」らしく、「長都沼」はもとより、馬追から祝梅(しゅくばい)の辺り一帯にかけても大きな沼が広がっていたようだべさ。
図面を見る限り、化け物の棲む沼「アンガリトー」は祝梅の辺りにあったみたいなので、「長都沼」から「アンガリトー」があったと思われる千歳市祝梅に向かって、車で走ってみることにするべ。
という訳で9月下旬のある日、「長都沼」及び千歳市祝梅方面に向かって、ボロ車に乗って自宅を出発したんだべさ。
「大学橋記念公園」から国道337号へ続く「長都沼」沿いのバイパス道路を南下して行くと、左右には広大な農地が広がっている。
バイパスの右手方面 |
バイパスの左手方面 |
国道337号に出たら右折して千歳市街方面に向かい、川南通との交差点を左折して、陸上自衛隊東千歳駐屯地のある祝梅方面へ向かう。
祝梅へ向かう |
祝梅川の手前は広い農地になっている。
祝梅川手前左手 |
祝梅川手前右手 |
祝梅川に架かる第2祝梅橋の辺り。その先にある道央圏連絡道路が見えるべさ。
祝梅川と道央圏連絡道路 |
その祝梅川と道央圏連絡道路を越えると、陸上自衛隊東千歳駐屯地に行き当たる。この辺りから一段高い地形になっているので、恐らくここが「アンガリトーの沼の縁」だったのでは?
東千歳駐屯地=嘗ての沼の縁? |
ということで、前述した様に山田秀三著「北海道の地名」の54ページにある図面を参考に、嘗ては祝梅に存在したらしい化け物の棲む沼「アンガリトー」の名残りを探して、「長都沼」から祝梅にかけて走ってみたんだけど、やっぱり祝梅川手前の広大な農地辺りが「アンガリトー」の名残りだべか?という気がするべさ。
YouTubeに動画をアップしたので貼り付けとくべ
今回、化け物の棲む沼「アンガリトー」を探して、「長都沼」から千歳市祝梅方面に出向いて撮影した動画をYouTubeにアップしたので、このブログにも貼り付けておくべ。
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そんな訳で、以上が「アイヌ伝説集」に載っていた化け物の棲む沼「アンガリトー」を探しに行ったというお話だべさ。
(続く) (前回)
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