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今回は、以前紹介した「更科源蔵編アイヌ伝説集」から拾ったネタだべさ。
その「アイヌ伝説集」のP.152、「底なしの沼」の中にこんな記載がある。
~滝川の石狩川向い、新十津川町の橋本町から西徳富よりに玉置神社という神社があり、その傍にある沼は、昔、人喰刀(エペタム)を沈めた底なしの沼だといわれ、おそろしい沼(チホマト)ともいわれていた。人喰刀は宝物を納めておく箱に入れ~途中省略~箱を飛び出して人間に襲いかかり、今まで何でもなかった人が殺されたりするので、部落ではそれを石狩川にもって行って渕に沈めてみたり、山へ持って行って捨てたりしてみたが、直ぐに戻ってくるので、最後にこの沼に沈めたところ、それきり戻って来ないので、この沼にはそこがないのだろうといわれた。~(以上「アイヌ伝説集」P.152より引用)
最初にこれを読んだ時、他の伝説にもちょくちょく出てくるこの「人喰刀」というのも確かに恐ろしいけど、それよりも「底なしの沼」と呼ばれるその「沼」はいったい何処にあるんだべ?と、「沼」の方に興味を惹かれたんだべさ。
幸い、その新十津川の玉置神社(現在の新十津川神社)の場所はわかっていたので、ゴールデンウィークに現地に行ってみることにしたべさ。
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5月に入ってすぐのよく晴れた日、昼過ぎに自宅を出発して国道275号を北上する。
国道のドライブはあんまり面白味が無いので、月形町に入ってから、「月形町から雨竜町まで国道を一切使わずに北上するべ!其の1 其の2」で書いた裏道に入る。
こんな景色や
こんな場所とか
こんな綺麗な場所があるので、やっぱり国道を走るより、こっちの裏道の方が面白い。
やっぱり裏道の方が楽しいべさ |
裏道を北上し続けると、やがて新十津川町で国道451号にぶつかるので、右折。
国道451号にぶつかるので右折 |
そこから少し行くと左手に商店があり、その先に新十津川神社がある。
商店の先が新十津川神社 |
新十津川神社正面。
神社正面 |
更科源蔵氏編の「アイヌ伝説集」に拠れば、「チホマト」と呼ばれるその底なし沼は「神社の傍」にあるらしいのだが、神社の左手を見ても「沼」は無いし
神社の向かって左側 |
右手を見ても、「沼」らしきものは見えない…。
神社の向かって右側 |
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沼が見当たらない以上は、いつまでもここにいても仕方ないので、取り敢えず新十津川神社周辺の「直近の沼」巡りをしてみることに。
まずは「新十津川神社」近辺のGoogle航空写真をば。
今回は地図より航空写真の方がわかりやすい(この辺りの地図はスカスカで、沼の表示も無い個所があった)と思ったので、そっちを載せてみることにしたべさ。
まずはGoogle航空写真で事前に位置を確認しておいた、神社の北側の国道275号を越えた場所にある「沼」へ向かう。
これが上の航空写真の青いポイント、「近くの沼 其の1」。沼は北と南の2つに分かれていて、これは北側の沼。
2つある内の北側の沼 |
これが隣り合わせにある、南側の沼。
こちらが南側の沼 |
底なし沼はここじゃないな、ということで、今度は新十津川神社の北西側にある沼に行ってみることにするべ。事前に航空写真で確認した限りでは、こちらも恐らく農業用貯水池かと思われるのだが、念のために…。これが航空写真の「近くの沼 其の2」。
人工的だべさ |
ということで、今度は最後の望みを託して、新十津川神社の南側、北2号線沿いにある沼まで足を延ばすことに。航空写真の「近くの沼 其の3」。
北2号線の脇に沼がある |
木々の隙間から沼が…。う~ん、これは「沼」というよりは「湿地」に近いかも…。
「湿地」と言った方が正しいかも |
それでも、林の奥の方にはこんな「沼」らしき個所もあるのだが
「沼」というか「水溜まり」? |
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という訳で、新十津川神社の周辺にあるめぼしい「沼」に足を運んでみたのだが、結局「人喰刀を沈めた底なし沼」らしきものは発見できなかったべさ。
そもそも上にも書いた様に、「アイヌ伝説集」に拠れば「底なし沼」は「新十津川神社の傍」にある(あった?)ということだから、足を延ばして見た3箇所の沼が「神社の傍」とも考えにくい。
これはやっぱり、嘗ては新十津川神社のすぐ横か裏手にあった「底なし沼」が、農地造成などで埋められてしまった可能性が高いんでないべか?
(続く) (前回)
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