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今から遡ること数十年前の高校時代の春、札幌近郊の百松沢山に登ったことがある。
当時、高校の山岳部顧問をしていた数学教師が、授業中に「五月の連休に山岳部で百松沢山に登るから、興味のある奴は来い。雪の上に踏み跡を付けとくから。」と勧誘したから行ってみたのだが、どうやら呼びかけに応じて参加した一般生徒は自分一人だけのようだった。
特に待ち合わせして登ろう、という取り決めもなかったので、西野左股の市営バス福井停留所に着いたのは午前8時頃だったと思う。
これが地図。
参考までに、Googleの航空写真も貼っておこう。
この百松沢山という山は、登山道というものが無く、無雪期に登れば藪漕ぎ必至の山なのだが、4月~5月の連休時は残雪が固く締まっていて、つぼ足で難なく登れる絶好の登山期間らしい。
最初は源八沢沿いに付いている、先行した山岳部の踏み跡を辿り、地形図の633m地点の北側を巻いて、残雪の急斜面を踏み後を辿りながらつぼ足で淡々と登って行くと、やがて広めの台地状となっている尾根に到達した。どうやらここが山屋さん達の間で「シルバーザッテル」と呼ばれている場所らしい。
ここからは尾根筋に進むだけなのだが、いくらこの時期はつぼ足だけで登れるとはいえ、ところどころで落とし穴の様な雪の深みに足を取られ、結構しんどい思いをしたのを憶えている。
尾根筋を進んで行くと、頂上手前では尾根が広い斜面上に変わり、そこを登り切れば、ようやく百松沢山の山頂だ。
山頂で休んでいたら、先行していた山岳部の連中が「百松沢山南峰」から戻って来るのに遭遇。顧問のA先生に「おう、来てたか!お前も物好きだなぁ」と冷やかされながらも、「南峰からの眺めはいいぞ」との情報も貰って、「南峰」を目指すことにした。
ところでこの「百松沢山南峰」、なんと百松沢山の山頂より標高が高いのだ!
百松沢山の標高が1,037.8mで、南峰の標高が1,043mだから、「南峰」などと呼ばずに、こちらを百松沢山山頂にすればいいのに、と思った記憶がある。
話を戻して、南峰への登山の続きである。
南峰に向かうには、尾根筋を一旦下って、再度登らなければならない。百松沢山本峰までの登りで、結構体力を消耗してしまっていたので、かなりのんびり進んだのを憶えているが、最後の急な斜面を登り切って、漸く南峰頂上に到達したのだった。
情報どおり頂上からの眺めは素晴らしく、右手には見ようによっては頂上部分が削られた富士山に見えなくもない形の「烏帽子岳」、そして左手の眼前には荒々しく崖が露出した「神居岳」が拝める。
「烏帽子岳」も「百松沢山」同様登山道が無い山なので、行くならその時がチャンスだったのだが、時刻も昼を過ぎてしまい体力的にも無理だろう、ということで、「烏帽子岳」行きは諦め、南峰の上で昼飯を食ってから下山することにしたのである。
で、その時に昼飯を食いながら見た目前の「神居岳」の印象がかなり強烈に印象に残っているのだが、高校生当時はカメラなど持っていなかったので、残念ながら写真は無い。
代わりに、記憶をたどりながら「南峰から見た神居岳」の絵をペイントを使って描いたので、そちらを載せておく。
百松沢山南峰から見た神居岳 |
百松沢山南峰から見た烏帽子岳 |
……、さすがに自分でもコレは酷いと思うので、「札幌近郊」、「神居岳」、「烏帽子岳」で検索して、まともな写真を拝んで欲しい。
(続く) (前回)
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