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久しぶりの「地獄穴」ネタだべさ。
以前にこのブログで紹介した、知里真志保・山田秀三著「あの世の入口 -いわゆる地獄穴について-」という地獄穴に関する資料の23ページに、こんな記述がある。
以下引用~
(15)千歳町内のオマンルパル
胆振国千歳町内千歳川第4発電所より下流に、シュネチセという所がある。むかしここにひとりの老人が住んでいて、冬でもどこから取ってくるのか、青々としたギョージャニンニクを食べていた。部落の若い者が、すこしわけてくれないかと頼むと、
「おれはまもなくこの世からいなくなるのだから、これを食べてもいい。しかしこれはあの世へ行ってもらって来るもので、おまえたち若い者の食べるものではない」
と云って、いくら頼んでも分けてくれなかった。それでこの近所にオマンルパル(あの世へ行く道の入り口)のあることだけは分かったけれども、誰もその場所を知らなかった。
シュネチセからすこし離れたペサプドという所の川岸にも、オマンルパルがあるという。(1951年6月2日、千歳町、今泉柴吉氏談)
~引用終わり。
文中の「千歳川第4発電所」というのは、「王子製紙の水力発電所がある第4ダム」のことと思われる。
㈶日本ダム協会のサイト「ダム便覧」に拠ると、発電所とダムが一体となっており、「石張りダムと煉瓦発電所の組み合わせ」という珍しい形態で、「近代土木遺産」にも選ばれているとのこと。
「下流に、シュネチセという所がある」という記述の「シュネチセ」というのは、注釈に拠ると「松明小屋(そこへ泊って松明を燃して鮭をとる小屋)」ということなので、恐らく現在の「千歳さけますの森 さけます情報館」のある辺りでないんだべか?
という訳で、こんな風に場所を明記してくれるのは非常にありがたいことでもあるので、6月に現地に行ってみることにしたんだべさ。
これが地図代わりの航空写真。
↑それぞれのポイントを中央に持ってきて、画面左下の倍率ボタン(+)をクリックすれば、ポイント個所が拡大できる。
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千歳川第4発電所の下流で地獄穴「オマンルパル」を探すべ
6月下旬のよく晴れた日に、車で自宅を出発して千歳市を目指し、国道36号沿いに千歳市に入ったら、錦町で道道117号「支笏湖公園線」へ右折して、支笏湖方面を目指して走る。
蘭越の千歳川を渡る鳥柵舞橋の手前で、「千歳さけますの森 さけます情報館」へ向かう側道へ右折(地図ポイント1)。
もう一度千歳川を渡る橋の手前に駐車スペース(地図ポイント2)があるが、道が結構広いので、橋を渡ってすぐ左手にある「ウサクマイ遺跡群」を横目に見ながら、そのまま車で進むことにする。
橋を渡ると路面はダートに変わってしまうのだが、フラットで荒れてはおらず、結構快適に走れる。
橋から1kmくらい来た辺りだろうか、右手に千歳川沿いに降りて行く歩道の入り口がある。
第4発電所への歩道入り口 |
道路脇に駐車スペースがあるので、それを目印にするといいかもしれない。
駐車スペースが目印 |
歩道に入ってすぐに、こんな看板がある。
見取図看板 |
歩道はこんな感じ。
歩道の様子 |
こんな看板も。
釣りしたらダメなんだと |
歩道を少し歩いてから、地獄穴があるらしい千歳川対岸の方向を撮ってみたのだが、葉っぱが多くて見難い。
見通しが悪い… |
対岸が見えん… |
さて、見通しのよい場所を求めて、更に進んでみるべ。
更に進む |
時折、対岸方向を撮影してみるのだが、こっち側の川岸はある程度確認出来るんだけど、向こう側の川岸は無理だな、こりゃ…。
やっぱり向こう岸は見えんな… |
更に進むと落石の個所も…。
落石だんべ |
ある程度対岸が見える場所もあるのだが
対岸方向 |
これも対岸方向 |
そのまま進んで行くと、車が通れる林道に出た。どうやら、第4発電所へ続く林道らしい。
林道に出る |
その林道を千歳川沿いの右方向へ進むべ。
右手に進む |
付近にダム放流注意の看板がある。
放流注意 |
さて前に進むべ。
林道を進む |
相変わらず対岸は見通しが悪い。
見難いな… |
なんも見えんわ… |
「地獄穴」はこんな場所にありそうなんだけど… |
勿論、川の両岸だけじゃなく、こういう道路の法面の上方なども
道路の上もなんもない… |
それにしても、あんまり「穴!穴!穴~ッ!」と血眼になって探すもんだから、終いにはこんなものとか
穴~ッ! |
こんなものまで「地獄穴」に見えてきたべさ。
穴!穴~ッ! |
などとキョロキョロしながら進んで行くと、いきなりゲートが!
おお!ゲート出現 |
立入禁止だとさ…。
立入禁止 |
なるほど… |
樹々の隙間から、第4ダムと煉瓦造りの発電所の建物の一部が見えるべさ。
ダムが見える |
その手前には対岸に渡る橋らしき物も見えるのだが、「立入禁止」なので行くことは出来ない。
渡って向こう岸まで行ってみたいけど… |
仕方ないので、また向こう岸を撮影してみるんだけど、やっぱり見えない…。
相変わらず葉っぱが邪魔だべさ |
という訳で、いつの間にやら終点の「発電所がある千歳川第4ダム」に到達していたんだけど、相変わらず視界が悪くて「地獄穴」は見つからなかった、という締まりのないお話だべさ。
ここまで歩きながら思ったんだけど、これはどうやら来る時期を間違ったみたいだべさ。
葉っぱが完全に落ちる11月中旬以降に来れば、恐らく見通しは今とは比較にならないほど良くなるだろうから、その時期にでもまた来ることにするべ。
ということで、元来た道を引き返すことに。
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おまけ:「ウサクマイ遺跡群」をチラ見してみるべ
さて、こんな按配で地獄穴「オマンルパル」は見つけることが出来なかったのだが、その代わりに、ここに来る途中にチラッと看板を見た「ウサクマイ遺跡群」にちょこっと寄ってみることに。
千歳川に架かる橋の手前まで戻ると、「ウサクマイ遺跡群」の入口がある。
入口 |
看板に拠れば、「およそ1400~800年前につくられた村の跡」ということで、こちらの場所は「ウサクマイC遺跡」というらしい。
↑実を言うと「擦文時代」という言葉を知ったのは、山田秀三著「北海道の地名」を読んで、色々興味を持ってネットなどで調べ始めてからのことなんだけども、それにしても、「ウサクマイ」をパッと見「馬臭い」と読んでしまうなど、石器人みたいな無知な人間というのは先入観念も怖いものも無いから、ある意味気楽なもんだべさ。
どうしても「馬臭い遺跡」に見えてしまうんだべさ… |
楽しそうなイラストだんべ |
擦文時代なんだとさ |
これが遺跡に向かう歩道の入り口。
歩道の入り口 |
林の中はこんな感じ。
林内の歩道 |
ちゃんと案内標識がある。
道標あり |
至れり尽くせりだが、見りゃわかる様な気も…。
看板要るか?コレ |
こちらが住居跡らしいのだが
そう言われればそう見えなくもない… |
標識が立ってるから間違いないんだべな |
こちらも
別の住居跡 |
そして、こちらにも…。
これも別の住居跡 |
こんな風に、一通り「ウマクサイC遺跡」の中を回ってみたのだが、藪や木の葉っぱが邪魔で見通しがあんまりよくないのは、上記の「千歳川下流のオマンルパル」と同様だったべさ…。
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YouTubeにも動画をアップロードしといたべさ
YouTubeの方にも今回撮影した動画をアップロードしたので、ブログに貼ってみたべさ。
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ということで、「千歳川下流のオマンルパル」と「ウサクマイ遺跡」の探索は終了したのだが、上にも書いてる様にやっぱり時期が悪かった…。次に来る時は葉っぱの落ちた11月以降にした方が、どっちも遥かに見やすいと思われるべさ。
※関連動画
YouTube「千歳川第4発電所下流に地獄穴が在るんだか無いんだか」
(続く) (前回)
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