2017年7月17日月曜日

マッターホルンから富士山に姿を変える!?石狩市浜益の「黄金山」


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嘗て道北に赴任していた頃、実家のある札幌に帰省する為には、国道231号を南下するのが一般的だったのだが、帰路の途中にある浜益の辺りで、左手(東方向)に見える奇妙な形の山が気になっていた。

北斎の描く浮世絵に出てくる富士山に似た形の山で、近くにある一般的な形の山とは明らかに雰囲気が異なる。地図で確認したところ、どうやら「黄金山(こがねやま)」という名前の山で標高は739.1mあるらしい。


↓この冗談みたいな形の山が「黄金山」だ。

興味深い形だ…
「こりゃまた随分と面白い形の山だべさ」と思ったのだが、当時は登ってみようとまでは思わず、また登山道が存在するのかどうかも知らなかった。





時は流れて、札幌近郊の職場に勤めるようになった頃のこと。

丁度セロー225というバイクに乗っていた時で、行先も定めずあちこちフラフラとそのセローで漂っていたのだが、ある日当別町青山から浜益へ向けて走っていた時、久し振りに「黄金山」の姿を拝むことになり、その際国道からKonica Q-M200というボロいカメラで写真をかなり撮った。

ところがその写真なのだが、当時はパソコンのHDD(確か40GBしかなかった)ではなく、安物のCD-Rに保存していたため、殆ど全てのCD-Rが読み取り不能となってしまい、当時の写真は全く残っていない…。(※ちなみに上の写真↑は今年の6月に改めて撮ったものである。)




ということで、山に登ってみる訳ではないのだが、写真だけはもう一度撮っておくことにしようと、今年の4月中旬とゴールデンウィーク、及び6月に、「黄金山」のある浜益方面に出かけたので、備忘録+アルバム代わりにブログに記録しておくことにする。

まずは、これが黄金山の地図だ。
 

登山口へ至る林道の入り口は、浜益川から来る場合は「実田橋」を過ぎてすぐ左側、滝川・青山方面からくる場合は、「実田橋」手前の右側にある林道の起点で、看板が設置してある。





★まずはゴールデンウィーク前の4月中旬に写真を撮りに行った時の話から。

国道451号を浜益方面に向かって走って行き、当別町と石狩市の境界の峠を越えてしばらく走ると、浜益川沿いの国道が、御料地の手前で左にカーブしている場所がある。

そのカーブを過ぎると、突如前方に「マッターホルン」みたいな形をした山が現れる。

おお!マッターホルンか!?
パラマウント映画の冒頭に出てくるマッターホルンみたいで、これは中々にインパクトのある光景だ。4月半ばだったので、まだだいぶ雪が残っているのも、それらしく見える一因だろう。



更に浜益方面に向かって国道を進んでいくと、山の形状の全貌が見えて来る。

山の全容
この地点から見ると、「マッターホルン」というより、「削るのに失敗した鉛筆」みたいに見えなくもない。




これ御料地の辺り(多分?)から見た黄金山。

だんだん富士に似てきた
この辺りまで来ると、富士山にかなり似て来る。



実田から、ちょっとだけ山側の集落の道に入って撮った写真。

実田の集落から撮影
ここから見ると、だいたい浜益方面から見るシルエットと似た感じになる。

御料牧場や登山口の林道にはまだ残雪が多くて、車で入ることは出来なかったので、この日は撮影はここまでにして、帰路に就くことにした。





★ゴールデンウィーク前半に再び撮影に行った時の写真。

4月下旬のある日、写真撮影の為に、前回と同様国道451号を浜益方面に向かい、実田橋の手前にある「黄金山登山道入口」の標識を右折する。

「黄金山登山道入口」の標識を右折
標識


登山道入り口はこんな感じ。

奥に続く林道が登山道
看板の拡大写真
黄金山への登山口(徒歩による登山道の入り口)はここから4km先にあるらしい。



それでは少しでも黄金山に近づいて写真を撮る為に、この林道を進んでみよう。

奥に入ろう


少し行くとこんな看板が。

注意看板
森林管理局の管轄のようだ
北海道森林管理局の管轄らしいから国有林なのだろう。



さらに奥に進む。

奥へ進む


すると残雪が…。

行けるかな…
この箇所は何とか乗り越えて先に進んだのだが、この200m程先にも残雪があり、危うくスタックしかかった。

石器人の乗っているボロ車は、一応4WDではあるのだが、センターデフの代わりにトリブレードカップリングと呼ばれるビスカスみたいな流体カップリングで後輪に駆動力を配分するという、所謂スタンバイ4WDと呼ばれる方式を使っている車なので、パートタイム式やセンターデフを直結できるタイプの4WDと比べると、こういう状況ではトラクションの面で明らかに不利になる。

カップリングで動力を後輪に伝達する機構上仕方がないのだが、こういう雪道や泥道では、まず前輪がある程度空転してからでないと後輪に駆動が伝わらないのだ。

生活4駆の為、LSDなどという洒落た物も装備しておらず、このまま進むのは無理と判断して、国道まで引き返すことにした。



今度は国道を少し戻って、この「堵止木林道」に入ってみよう。

林道入り口
読み方がわからん…
「堵止木林道」とあるのだが、読み方が分からない…。「ツシキ」?、「トシキ」?、「カキドキ」?

いったい何と読むのだろうか??




それはそれとして、林道の奥に行ってみよう。アラッ…?

また残雪…
こちらも残雪で、これ以上は進入不可能…。




仕方なくまた国道まで戻って、今度は隣の「黄金沢農道」から入ってみよう。

黄金沢農道入口



牧草地に出る。

御料地牧場だべさ
ここが地図上に記載されている「御料地牧場」だろう。牧草地の中に車の轍はあるが、これ以上整備された道らしいものは確認できなかったので、ここでストップ。



「御料地牧場」から見た「黄金山」の写真。

牧場からみた「黄金山」
以上、「黄金山」に近づいて写真を撮る為に、目に付いた林道は全て(多分)進入してみた。

丁度陽も傾いてきたし、この日はもうこれ以上やることもなくなったので、帰路に就くことにしたのである。





★6月中旬にドライブに行った時に撮った写真。

6月中旬の天気のいいある日、浜益方面にドライブに出かけることにした。

で、その時に、浜益側から「黄金山」の写真を撮っていなかったことを思い出し、国道231号沿いの浜益区川下から、水田地帯を通る農道に入り込んで撮影してみた。

これがその時の、冒頭でも使った「黄金山」の写真だ。

川下の水田地帯から見た「黄金山」
やっぱり、北斎が描いた富士に似ている…。



ズームでもう一枚。

ズーム


川下から実田方面に抜ける農道の途中で。

裏道農道から


拡大してみよう。

しかし急斜面だな…
山の斜面は結構な傾斜角だ。



面白そうなので、頂上付近の角度を測ってみよう。

45°もあるぞ

おおっ!左側斜面の傾斜角が43度、右側斜面の傾斜角度は45度もあるべさ。

山に登る人ならお分かりだろうが、30度を越えたら山の斜面は相当急に感じるから、コレだと現地では相当のスリルを味わえるだろう。恐らく崖を登っているのと変わらない感覚なのでは?


もうひとつ面白いのは、上の方にある「マッターホルン似」の写真からもわかるとおり、浜益側から見える「富士山」チックなこの山は、横から見たら頂上付近の山体の厚みがかなり薄いのだ。

図で描くとこんな感じだろうか。


まあコレは冗談だけど、頂上付近は本当に厚みが無いらしい。





という訳で一度は登ってみたい面白そうな山なので、ネットで色々と「黄金山登山」について調べてみた。

国道から4km入った登山口迄は車で行けるらしいし、車が10数台程停められる駐車場や立派なトイレもあるようだ。登山口から山頂迄は2㎞程で、ゆっくり登っても2時間もかければ登れる山らしいので、機会があれば是非ともチャレンジしてみたいものだ。



(続く)  (前回)



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