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昔、セロー225というヤマハのバイクに乗っていた。
新車で買った1993年式で、2003年にエンジンが掛からなくなり手放してしまったが、乾燥重量が確か108kg程度と非常に軽く、まるで自転車のような感覚で乗れるバイクだった。
乗っていた頃は随分写真も撮ったのだが、保存していたCD-Rが駄目になってしまったので、今はセロー本体の写真は1枚も無い。
残っているのは、取扱説明書だけである。
買ったのは225Wのひとつ前の型(リヤドラムブレーキ仕様)なのに、何故か前後輪ディスクブレーキ仕様の225Wの説明書が付いてきた。
セロー225Wの取説 |
さて、このバイクだが、ライト系については割と大胆な改造を施した。
千葉の市川にある、YSP市川西(今はバイクショップ クリーンという名前になっている)という店が販売していた、CIBIEのMOTO180というバイク用のライトと、それをポン付けする為のアルミフレーム一式のセットを購入し、自分で取り付けた。
ライトが55/60WのH4仕様になった225Wのひとつ前の型だったので、元のライトは非常に暗かったからだ。確か30/30W程度じゃなかったかと記憶している。
で、CIBIEのライトを組んだセローだが、夜間の走りやすさは格段に向上した。美しいレンズカットのライトから出る光はたいへん明るく、一灯しか無いのに、車より走りやすかった程である。
後は、フロントタイヤを標準の2.75-21から、他の250オフ車と同じ、3.00-21に変更して、純正のハンドガードを付けた位である。
尚、このハンドガード、大きくて見た目も良くないが、防風効果は抜群で、雪が積もる直前の11月に走っても、手袋さえしていれば指が悴むことも無かった、
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ところで、タイトルの件である。
セローでツーリングに出かけると、必要な時以外は幹線道路は走らない。
北海道であれば、大抵は幹線国道・道道に沿って、交通量が少ない割に立派な農道や市町村道があるからだ。
石器人なので、きちんと行き先を定めて走るわけではない。で、そういう農道や市町村道を進みながら、分岐ごとに止まっては、行きたい方を勘で決めて進んで行くのである。
このやり方で、気持ちが良さそうだと思える場所に向かって進んで行くと、どういうわけか山の方に引き寄せられる。
徐々に道が細くなって、最後には行き止まり、若しくは、これ以上進んだらまずいことになりそうだな、という状況に陥る。
別に山奥や寂しい場所に行きたい、と思って走っているわけではないのだが、
何故かそうなる。
そういう薄ら寂しい道でも、走って行く内には休むのに丁度良さそうな場所は必ず見付かるものだ。
で、そういう場所にバイクを止めて休憩し、辺りを見回してみると、見つけてしまうのである。
墓場を…。
大抵は5、6基から10数基程度のミニ墓地で、道路からは藪や林で隔てられている場所が多いから、パッと見はわかりにくい。
気付かなければ、それはそれで幸せだったのだが、風景の写真など撮ろうとするものだから、どうしても見つけてしまう。
こんな現象がツーリングの度に発生するので、ある時期から「もう墓場には行きたくねえ!」と身構えるようになり、意識的に寂しそうな方角を避けるようにしたこともあった。
すると今度はどういう訳か、走っている経路の途中に中規模~比較的大規模の墓地が、頻繁に現れるようになったのである。
それで震え上がった訳でもないが、「これは、何をやっても墓場には連れて行かれる運命なんだべな」と諦め、抵抗せずに墓場への流れに身を任せることにしたわけだ。
で、抵抗を止めてみた結果、墓場に引き寄せられることは無くなったのか?といえば、そんなことは無い。
相変わらず、行き止まりにぶち当たって「この先30m 〇△墓地」という看板と刈り分け道を見付けては「オワーッ!」と仰け反っていた。
でもまあ、慣れというものは恐ろしいもので、そういうことを続けているうちに段々と気にならなくなるものらしい。
セローに乗っていた時期の最後の方になると、陽も当たらないような草深い山道の奥でミニ墓地を見つけても、別に驚くこともなく、ただブバッと乾いた屁が出るだけになったという、何の為にもならないお話である。
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※余談
セローでツーリングする際には、手放せない物が一つあった。
それがこれである。
秀岳荘オリジナルザック |
北海道の登山用品店「秀岳荘」で以前販売されていた、オリジナルの登山用ザックで、ナイロン袋に背負い紐を縫い付けたシンプルな物である。
石器人はこれを「頭陀袋」と呼んでいたが、バイクにゴムネットで積むには本当に適した形状をしていて使いやすい。要はただの袋みたいな物だから、荷物の量に応じて、形が変幻自在に変えられる。
また、散々走った挙句墓場に行き当たり、くたびれてバイクの上で寝る時も、この上ない枕代わりとなってくれた。
もうひとつ余談だが、セローの上で寝る時は、シートに背中を預けタンクに尻を乗せ、足はハンドルの上で組み、頭はリヤフェンダーの上の「頭陀袋」に乗せれば、ピタッとハマる。
その際、目覚まし時計などは持って行かないので、シートから転げ落ちる時が目を覚ます時だ。
(※この記事は当初、2015年10月17日に「石器人の足掻き」に掲載された後、2016年6月10日に「イテテテ団」へ移転し、更に今回当ブログへ引っ越してきたものです。)
※関連記事
「アレ?ここは確か墓場だった筈だが・・・」
(続く) (前回)
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