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2016年10月11日火曜日

無意根山近くにある大沼


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今から十数年前、多分2000年前後?の夏のことだったと思うのだが、札幌近郊にある無意根山(標高1,464m)に登ったことがある。

この無意根山、実は自宅からも見える。これがその写真だ。

無意根山
中央の山頂から右手方向になだらかに傾斜している稜線は、「千尺高地」に繫がっている(50倍ズームでやっとこの程度だ)。



登った時は、頂上付近に結構な残雪があったと記憶しているので、恐らく6月頃のことだったと思われるが、日記を付けていた訳ではないので、今一つ記憶が定かではない。

その時のことを、乏しい記憶を頼りに記録として残してみることにした。


《画像①》 これが登山コースの地図。

    


二通りある登山コースの内、豊羽元山側からのコースを選択し、よく晴れた日の早朝に自宅を出発した。定山渓経由で豊羽元山まで車で来て、当時あった「無意根山荘」前のスペースに駐車し、登山届を書いてから、無意根山頂を目指して出発。

豊羽元山側からのコースを選んだのは、途中で見える「ある場所」が目当てだったからなのだが、これがまた長いコースだった。

最初から急な林の中の登山道を黙々と登る。高度を稼いでいくと、後ろに定山渓天狗岳が見えるので、それに励まされながらまたひたすら登る。

標高1100mを越えた辺りで樹林帯を抜けて台地状の笹原になる。ここが所謂「千尺高地」と呼ばれる広い尾根の下端になるようだ。

傾斜が緩くなった笹の中の登山道をまた黙々と進んで行くと、やがて見通しの良い「休憩広場」と呼ばれる場所に出るので一休み。この場所からは、目指す無意根山の頂上が望める。距離的には、まだかなり先にあるように見えるが…。

一休みしてから再び笹原の中の道を辿って上を目指す。笹は根曲がり竹で丈が結構高く、見通しはよくない。

「休憩広場」から暫く進むと、登山道から右手に歩道が分岐して下っている(※注1:《画像③》の歩道分岐点の写真参照)のを発見する。これはもしかしたら、今回目当ての「ある場所」へ続く道なのだろうか?とは思ったが、今回は「ある場所」については、あくまでも「見る」ことだけが目的だったので、分岐を下りずにそのまま頂上を目指して歩く。

笹藪で周りがよく見えないけどひたすら進んで行くと、やがて広い台地状だった尾根が細くなって林の中に入る。多分この辺りから右手の下の方に「ある場所」が見える筈なのだが、木の枝や葉っぱが邪魔で見通しが非常に悪い。

右側の方を気にしながらそのまま登って行くと、漸く木々の間から「ある場所」が見えるところに出た。そう、「ある場所」というのは、長尾山と無意根山を結ぶ稜線の中間地点の西側下にある「大沼」のことなのだ。

木が邪魔で沼の全容は見えないが、それでもかなり大きな沼だということはわかる。登山ガイドブックには「長径500m」と書いてあるが、結構な大きさだ。そして水の色がまた「山と空の色」を映して、何とも言えず綺麗なのだ。

カメラは持って行かなかった為写真は撮れなかったので、代わりにGoogleの航空写真を載せておく。


《画像②》 「大沼」の航空写真。

    

画像左下にある倍率ボタン「+」をクリックして、オレンジマークの「大沼」拡大して見て欲しい。結構きれいな水であると思われる。また、左側には「小沼」も見えている。




さて、「大沼」についてはまた後で触れるとして、先に登山の話を済ましてしまおう。


細くなった稜線をしばらく進んで、左手の笹っ原の斜面にある道になる。その道を歩いて行くと、やがて薄別からの登山道との分岐に出る。左手下には無意根尻小屋も見えていたと思う。

やがてハイマツが生い茂る道となり、低いダケカンバの間を進んで行くと山頂に到着した。流石に道央でも屈指の標高の山なので、全方向見通しは良い。

風は強かったが、晴れていたので眺望は素晴らしく、空沼岳、札幌岳方面は無論のこと、羊蹄山の姿も拝むことができたのだった。







ということで、話を「ある場所(大沼)」の件に戻そう。

実はかなり以前から、札幌周辺の山の地形図を買って眺めていたので、無意根山と長尾山を結ぶ稜線の西側に、「大沼」という名の結構な大きさの沼があることは知ってはいた。

しかし、当時出版されていた登山ガイド本などを見ても、沼の存在については記載されているものの、「大沼」自体へのアプローチに関する記述は一切載っていなかった。

そこで、自分なりに「大沼」まで行く机上のルートを考えてみたのだが、地形図で見る限りでは、無雪期に「大沼」まで行くには、A案-元山コースの稜線沿いの登山道から藪漕ぎで最短距離を下る」か、若しくはB案-京極町方面からペーペナイ川沿いにある林道を遡行して、「大沼」の西側にある「小沼」まで行き、そこから「大沼」に向けて藪漕ぎする」方法の二通りしか無さそうなのだ。

どちらのコースも根曲り竹の藪漕ぎ(これはかなりきつい)必須となりそうなのだが、A案の稜線沿いの登山道から下るにしても、標高1000m強の場所にある「大沼」まで行くには、標高差200m以上の藪漕ぎが待っていると思われる。下りはともかく、戻って来るのに難儀しそうだ…。

但し、上の※注1に書いたように、稜線上の登山道から「大沼方面に向かっているかもしれない?刈り分け道の分岐」らしきものを、この時の登山で発見したので、A案のアプローチについては、もしかしたら事情が変わって来るかもしれない。


《画像③》 ※注1「大沼」方面への刈り分け道かもしれない分岐の航空写真。

    

左上から右下に走る登山道から「大沼」方向に分岐(オレンジのマークの斜め左下あたり)している「刈り分け道」がある筈なのだが、このGoogleの航空写真では判然としない。


Yahooの航空写真ではくっきりと「刈り分け道」が写っているのだが、このブログに上手く貼り付けられない。仕方ないので、Yahoo航空写真「豊羽元山~無意根山登山道から西側に向かう歩道分岐点の地図」にリンクを貼っておく。


Yahooの航空写真の方を見れば、今回前述※注1で見つけた発見した刈り分け道が、確かに西側方面に向かって下っているように見える。しかし、まっすぐに「大沼」まで向かっているのではなく、沼の北側にある「植林地」らしい辺りに向かって西側に伸びているようだ。更に写真の西側方向を確認すると、白くなってしまい写真が撮られていないようなので、その先は確認出来ない。

そのYahooの航空写真では「大沼」の南端近くに、西側から伸びて来ている歩道らしきものが確認できるので、上に書いた歩道とどこかで繋がっている気はするのだが、さっきも言ったように、肝心の西側の部分の写真が未だ撮影されていないようなので、結局はわからなかった。

機会があれば、この刈り分け道を下ってみたいのだが、絶好の水場である「大沼」のある一帯は「ヒグマの巣」のような気がするので、躊躇するものがある。




で、もう一方のB案、ペーペナイ川の林道遡行コースだが、こちらも「小沼」から先は、「ヒグマの巣」と思われる地帯の中を藪漕ぎして登ることになりそうだ。どちらかと言えば、このコースの方がヒグマに遭遇する機会は多そうに思える(A案のコースの場合は傾斜が急過ぎてヒグマも歩き難いだろう)ので、こちら側から行くのも中々難しい気がする…。




そういう訳で、「大沼」まで行くことは並大抵のことではないだろうと思っていたので、せめてその姿を遠くからでも生で見ようと思い、無意根山に登ってみた、という訳である。





あれ以来、現在まで無意根山には登っていない。

今でも偶に「大沼」に行く方法を考えるのだが、不思議なことにネットで幾ら検索しても、大沼まで歩いて到達した」という記述は発見できない。元山側から登れば必ず目にする沼なので、誰かが探検していてもおかしくないのだが…。

で、もし石器人が行くとしたら、夏場にヒグマに怯えながら藪漕ぎするより、春先の堅雪状態の時に山スキーを使った方が楽かもしれない、と今のところは考えている。




(続く)  (前回)



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